CALENDAR
sun mon tue wed thu fri sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
<<  2023/06  >>
NEW ENTRIES
CATEGORIES
RECENT COMMENTS
ARCHIVES
PROFILE
POWERED BY
Script by BLOGN+
Skin by 700km
OTHER
SEARCH THIS SITE

反町文書

慶応通信スクーリングの3期は古文書の解読をしました



慶応は卒業生から寄贈された鎌倉時代から江戸初期の古文書が「反町文書」として所有しています。これを読むことで、時代とともに社会がどのように変わってきたか、戦国武将などの有名人の書状はどのようなものなのかを見ました。

初期は土地の売買証文が多く、今のように土地登記で政府が権利を保障する制度がないので、売買証文が非常に重要でした。



中期では幕府が領主に所領安堵の公文書が発行されました。写真は8代将軍足利義政の花押を据えた安堵状です。戦国時代になると、将軍の権威が衰えて、各地の大名に軍勢支援の要請が多くなります。



本物は三田の図書館に展示してあります。ランチは山食名物のカレーが美味しい。売店では山食カレーのレトルトがお土産に売っていました。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

プロメテウス神話

プロメテウス神話の本当の意味が面白い

プロメテウスの物語は「天上より火と技術を盗み出して人間に与え、ゼウス神から罰として岩山に縛りつけられて毎夜ワシに肝臓をえぐり取られた」話としてよく知られている。



講義では更に詳しく、
(1)メコネーで犠牲牛の分け前でゼウスに骨を旨そうな脂肪で包んでだまして与え、人間には不味そうな胃袋に包んだ肉を与えた。
(2)これに怒ったゼウスは人間から火を取り上げた。
(3)プロメテウスは天上の火を持ち出して人間に与えた。
(4) ゼウスは人間に土から女を作り、災いとなる罰を与えた。
(5) ゼウスはプロメテウスを捕らえ辺境の岩山に括り付けて永遠にワシに肝臓をえぐり取られた。

メコネーの分け前の結果、人間は美味しい肉を手に入れるが、肉自体も命をつなぐ「善きもの」と腐ってしまうという「悪しきもの」の本質を持つ。結果的に人間は肉を得たことで不死・永遠の世界から、死すべきものとしての運命を持つ。また、肉を得るために毎日働かなくてはならない。

プロメテウスは人間に火を与えたが、永遠の火ではなかった。すぐに消えてしまうので燃え代を絶やしてはならない。ゼウスは火を得た人間への罰としてパンドーラという女を与えた。女は外面は美しいが内面には獣の性格という悪しきものを隠し持っている。初めて「性」が認識され、生と死の循環が生まれる。女の腹を満たすために働かなければならず、女が引き起こす面倒も多い。

ここで天上界の永遠不変の世界と地上界の有限変化の世界の対比が面白い。有性生殖と生と死の循環は生き物(人間)をリフレッシュして進化することで環境への適応や多様性が生まれ、属としての永遠の発展が期待される。一方、天上の不死の世界は変化も進歩もない。

ゼウスは神の叡智、プロメテウスは人間の知恵を象徴している。プロメテウスが人間に良かれとしたことは、悉く人間を不幸にしている。プロメテウスがいくら知恵を絞っても結果は弟エピメテウスの浅知恵となってしまう。人間は「真の善」を知らないから。ゼウスは騙されたふりをして、真の目的を達成した。すなわち、人間の現状(男と女がいて、労苦があり、出産があり、空腹がある)が悲惨でも、これを受け入れて人間社会を維持発展するように仕向けた。

ところで、岩山で毎夜肝臓を食いちぎられるプロメテウスは何を意味しているのか?肝臓は再生能力が高い臓器であることを古代の人は知っていたのか?なぞは尽きない。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

神を見れば、民族の心性がわかる

今年も慶応通信のスクーリングが始まりました



第一期は「ギリシャ神話」を勉強しています。神話は自分たちの起源を物語りますが、自然や目に見えない感情、哲学をも擬人化して理解できるようにしています。とても参考になる考え方がありましたので紹介します。



「神を見れば、民族の心性がわかる」。人々は自分たちの意識を神に投影するため、神について語る時、人は神について語っているのではなく、実は自分たちについて語っている。寛容な民族は優しい神を持ち、残忍な民族は恐ろしい神をもつ。

ユダヤ人の信じる神ヤハウェは、自分を信じない者は皆殺しにして町や田畑は完全に破壊しろと命じます。これは、ユダヤ人が神を利用して先住民を皆殺しにして土地を奪ってきた自分たちの歴史を正当化している。

イスラム教もアッラーの宗教がただ一つになる時まで戦い抜けと命じている。「旧約聖書」や「コーラン」には「殺せ!」といる言葉が満ち溢れている。これは自分たちの不寛容な行動を正当化してる。キリスト教でも「キリストを信じない者」に対して200年にわたり軍事遠征がなされてきた。

一方、ギリシャの神々は非常に人間的な一面を持っている。例えば、女神アテネーはオデュッセウスをいつも励まし、助けている。日本の八百万の神々の優しい神が多いと思う。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

動物は美を感じるか

脳科学のテーマにはまっています

生命体の神秘は遺伝子・ゲノムの仕組みと働きに集約されますが、心の神秘は脳と神経の問題に集約されます。ただし、その大部分はまだナゾだらけです。

「認知症」、「依存症」、「サイコパス」など脳の働きによる異常や病気が少しづつわかってきました。コンピュータで脳の働きをまねするAIは飛躍的に進歩してきましたが、大量のデータを処理して整理する力業であって、人間の頭脳のようにスマートに働いているわけではありません。



美術と脳科学がどのように関連しているのか、興味があって「脳は美をどう感じているか」を読んでみました。

美しいものを見る・聴くとドーパミンが放出されて、人は感動を感じるようです。人以外の動物にも美を感じるかについて興味深い研究がなされました。

訓練により、ハトはモネの絵とピカソを区別できるそうです。モネに限らずルノワール、ドガなどの印象派とブラックなどのキュビズムの絵も識別します。また、子供の上手な絵と下手な絵も識別できます。



この研究により、慶応大学の渡辺教授は1995年にイグ・ノーベル賞を受賞しました。彼は高校の生物学研究会の一年先輩です。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

大学のクラス会

大学のクラス会



卒業して46年、毎日がヒマで足腰立つ人が集まりました。



今回のハイライトはG君の婚活話、大卒・死別・持家だと相当にモテるらしい。少し自信を取り戻しました。



二次会のゆきのちゃんはオジサンはムリだそうです。まだ若いので、後妻業には興味がないようだ。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

夜間スクーリング

三田の夜間スクーリングも最終日、東京タワーもクリスマスバージョンでロマンチックです。



今年は「アメリカ合衆国史」の講義を取りました。アメリカ人にとっての民主主義とは、一般の人々が社会を動かす力をもち、彼らの要求がすぐに実現される「人民主権」の考え方によっています。国王や権力者、宗教指導者、政府といった一部の機関が権力をもって人民を支配することと対局にある考え方です。

ただし、人民は権力を行使する上で責任を持つので、知識と良識を持ちアメリカに忠誠を誓うgentlemenでなければならず、それ以外の人々はアメリカの理想を脅かすとして、人民と認められません。これらの人々は差別され、女性差別、宗教差別、出身国差別、非白人差別、黒人差別、ヒスパニック差別、イスラム差別と現在に続いています。



これらの差別は教育や啓もう、寛容の精神で徐々に解消されていますが、中核である白人中産階級がアメリカンドリームを実現できない今日には、トランプ大統領のような人間を生み出してしまいます。新しい年に新しい大統領に率いらたアメリカがどこに行ってしまうのか、本当に心配です。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

自由と平等の国アメリカ

10月から慶応大学通信教育の夜間スクーリングで三田に通っています

今回の授業は「アメリカ合衆国史」、独立革命から第二次世界大戦までを学びます。アメリカは自由と独立と平等とチャンスを目指してヨーロッパの貧しく虐げられた人たちが移り住んで興した国です。



国是はリンカーンの「人民の、民による、人民のための政治」に表される「人民主権」に根差しています。即ち、人民が最高権力を持って大統領、議会、裁判はその代理人に過ぎず、その行為が気に入らなければ人民が直接手を下すことができるという考え方です。



そのため、犯罪者の処罰でも裁判は信用されず自警団によるリンチが横行し、黒人は白人に少しでも悪い態度を見せると公開リンチで抑えつけられていました。

北部の奴隷解放運動は人道主義に基づくものではなく、愚鈍な黒人がこれ以上増えると立派のアメリカ社会が崩壊するという人種主義的な考えによるものでした。



カソリック教徒のアイルランドやドイツ移民は飲んだくれの怠け者として恐れ嫌われていました。更に、南イタリアやギリシャなどからの移民は貧しく言語も違い、犯罪多発なので、これもアメリカ文化を破壊させるとして厳しく制限されました。



自由で平等は北ヨーロッパ系のプロテスタントだけのアメリカを目指していたといえます。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

マスコミュニケーション論

慶応通信スクーリング、第三週は三田キャンパスです。



「マスコミュニケーション論」の講座を受講しています。教科書は3990円の「メディアの中の政治」を使います。

第一日目と最終日は大石先生が概論と一般的なお話、それ以外は山腰先生が教科書に沿って説明します。ジャーナリズムが権力の番犬として監視役を務めるだけでなく、それ自身が世論をひっぱていく権力としての側面があり、その側面を具体的に話してもらえると思っていました。

情報を取捨選択して「物語」として伝えるとき、「言説分析」、「間テクスト性」、「メディア・フレーム」など専門用語が続出して、一般表現では何というのか自分自身の中で翻訳するのに苦労しました。



という訳で、残念ながら、自分の中に残るものが少なかった講座と言わざるを得ません。山食のカレーライスのほうが味がありました。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

春(プリマヴェーラ)

慶応通信教育スクーリング第二週は「西洋美術史」

ボッチチェッリの≪春(プリマヴェーラ)≫を取り上げて、様式的特徴、作品の意味内容、作品が制作された文化的、社会的な背景を詳細に学びました。



プリマヴェーラは何枚かの板を組合わせた分厚い板にテンペラ絵具で描かれています。登場人物は右から、春に吹く西風の神ゼフィロスが野の妖精クロリスを捕まえて結婚すると、口から花を噴き出して花の女神フローラに変身させます。春が来て、愛と美の女神ヴィーナスは息子の天使クピドと侍女の三美神とともに現れます。目隠しのクピドは愛の炎の矢を三美神の内の「貞節」に向けて放とうとしています。一番左のメルクリウスは商業と交通の神であるが、医術のシンボルである蛇の巻き付いた杖を持って一番左から流れる暗雲を眺めています。フローラの背景には実をつけたオレンジの木、ヴィーナスの背景には月桂樹のアーチが描かれています。また、画面全体に30種以上の草花が写実的に散りばめられています。

この絵は「メディチ家(本家)のロレンツォ豪華王が甥のロレンツォ(分家)の結婚を祝って、ヴィーナスの誕生と次いで贈った。」といわれています。最近の研究により、注文主は分家のロレンツォであり、もっと深い意味を持つことがわかってきました。

1、結婚祝いとしては、そのころボッチチェッリはローマにいて不在だった。
2、ヴィーナスの誕生とはサイズも基材も異なっていて、対とは考えられない
3、メディチ家管財帳によると、この絵は分家のロレンツォの屋敷の広間にあった
4、本家と分家は財産上の争いがあり、1485年の裁判調停で分家に財産が戻り、その後分家は事業発展、本家は破綻した。
5、そのころ、分家は第一子誕生、第二子妊娠と慶事がつづいた

以上の事実から、プリマヴェーラは次の意味内容を持つことが推測されます。
1、フローラのお腹が膨れているのは第一子が誕生、第二子の安産を祈念している。
2、ビーナスや三美神そして春の花々が描かれているのは、一族の繁栄を願っている。

それ以外に政治的な意味合いが隠されている。
3、右側の月桂樹(ローレル)はロレンツォ(ラウレティウス)の寓意
4、上側のオレンジはラテン語で薬用果実(mala medica)と呼ばれ、音韻からメディチ家を象徴する、実も紋章のパッレに使われた
5、花の女神フローラはフィレンツェを表し、メディチ家のロレンツォがフィレンツェを守る(支配する)ことを暗に示している
6、左側の男神はメルクリウスで商業、交通の神で蛇の巻き付いた杖を持つことから医術の神でもあり、メディチ家を示している。
7、メルクリウスは本来持つはずのない剣を下げているが、これにより分家のロレンツォであることが分かる。即ち、柄は月桂樹(ロレンツォ)、鍔はユリでフランス、剣は鋼鉄(アッチャイオ)から分家ロレンツォの母の実家を示している



したがって、分家のロレンツォが財産を奪った本家を打倒して、代わってフィレンツェを支配する意思を示している。

普通にきれいだと思って見ていた絵が、結構怖い意味をもっていたのは驚きです。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|

脳死と臓器移植

慶応大学スクーリングの第一週は「文化人類学」を受講しています。

科学(医学)の進歩が社会や文化に及ぼす影響を学んでいます。今日のテーマは脳死と臓器移植について

日本の臓器移植は年に20-30件、待機患者は300人程度です。一方、アメリカでは移植件数は2800件、待機患者は4000人と約10倍になっています。日本でも臓器移植法の改正により件数の増加が見込まれますが、思うようには増えていないようです。

移植する臓器は、死体、生体、脳死体から得られますが、手術を成功させるにはよりフレッシュな臓器が必要になり、脳死体からの取り出しが重要です。ただ、脳死とは、「全ての脳が不可逆的に機能を失った状態」とされ、人工呼吸器などの生命維持装置をつけていてもで、数日以内に死を迎えるとされています。ただし、心臓は脈拍を続け、体温も維持されているので、見た目は生きているように見えます。

また、身体を触ると手や足を動かして反応することも見られ、脳も生きているを感じられることもあります。ただし、これは「ラザロ徴候」と言って脊髄の反射によると解釈されています。「活け造りのアジの刺身の尻尾が震え」のと同じです。

稀に、脳死状態の妊婦が出産したり、子供が脳死状態のまま8年も長生きして成長を続けたりする、長期脳死の事例も報告されています。

このような状態の脳死患者を「人の死」と決定していいのか、そもそも脳死は臓器移植のために便宜的に死と意味づけたのではないか、社会文化的な問題として考えていく必要があります。

|慶応大学 | comments (0) | trackback (x)|